出陣学徒への「壮行之辞」1943年11月18日
「ブーゲンビルの重なる大戦果を聞く此の佳き日
勇躍壮途に赴かれる諸兄に対し何等加ふる詞を認めません 私共 或は未だ適齢に達せざる為 或は又特に命ぜられて 学園に留る者は斯かる緊迫せる時局下に於てすら 尚 学窓に残されたといふ国家の意に思ひを致す時、其の責任の極めて大なるを痛感する次第であります。
口にのみ学校即戦場を唱へつゝ 日々の実践に於て怠る事あるが如きは絶対に許されぬのであります。私共 唯今諸兄を送るの感激を以て 召されるの日まで学徒としての本分を全ふせむ事を諸兄に誓ひます。
学校即戦場の真義に徹する時 征く者も送る者も無いと思ひます。
杉本五郎中佐の絶筆に曰く
汝我を見んと要せば尊皇に生きよ 尊皇精神のある処常に我在りと大義に生くる事により 私共は諸兄と常に共にあるを得 又然あらねばならぬのであります。
諸兄につゞく成蹊健児六百のある事を念頭に置かれて 御健闘あらん事を祈つて止みません 橘曙覧の歌
天皇の勅にそむく奴等の首引き抜て八つもてかへれ
昭和十八年十一月十八日
成蹊高等学校在学生総代 棚町知彌」
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